AGGはアメリカの格付けAAAの債権7,000本以上に投資する債権ETF
AGGは次のような特徴を持った債権ETFです。
1.債権は株よりも値動きが少ない安定した投資商品
2.格付けAAA(トリプルA)の評価がついた債権の中から7,000本以上に分散されている
3.毎月利息が入ってくる
4.アメリカの政策金利上昇で債権ETFは冬の時代に
それでは詳しく見ていきましょう。
全ては安定した利息のために
AGGは世界最大の資産運用会社BlackRock社が運営する、iSharesシリーズの中のiShares Core U.S. Aggregate Bond ETFです。このブログでも以前紹介した高配当ETF、HDVと同じ会社で運営されています。BlackRockまず潰れることはない、安心の資産運用会社です。
債権とは、行政や会社が資本からお金を借りるときに発行する借用書のようなもので、AGGでは国際、政府間連債、社債、その他の幅広い債権を対象とします。債権には満期があり、満期になると借り手は借し手に元本と利息を返すというシステムです。一般的に景気や業績によって左右されやすい株式ETFよりも債権ETFの方が値動き安定していると言われます。
AGGが対象としているAAA(トリプルA)の格付けの会社は1990年から2015年の間に一回もデフォルト(倒産)していないというデータがあり、対象債権の借り手が潰れる確率が非常に低いため、安定しています。さらにそれらのAAA債権を7,000以上組み入れているため、もし数社潰れようがその影響は誤差というレベルになってしまいます。
2024年4月時点でのTop10構成銘柄は次の通りです。
AGGの経費率は0.03%と破格の安さです。
これらのすべての要素がAGGが安定していることを証明しています。安定感という視点からは、まったく隙が見当たりませんね。投資家に長期間に渡って毎月安定した利息を届け続けるために存在している、そんなETFではないでしょうか。
毎月分配金が入るのもまた安心
私がAGGを買ってもっとも驚いたことが、毎月分配金が入ってくることです。投資商品を持ち続けることの楽しみの一つはこの分配金の受取だと思います。毎月入る分、一回あたりの金額は小さいのですが、これは実際に経験するとハマります。もしも債権ETFだけを大量購入してFIRE生活している人がいるのであれば、毎月チャリンチャリンと生活費が勝手に振り込まれてくるようなものです。以前に紹介したS&P連動型投資信託のFXAIXや、高配当ETFのSPYD、HDV、VYMなんかは3ヶ月に一回ですので、それと比べたらこの頻度の高さは持ち続けるモチベーションになると感じました。
アメリカの政策金利上昇で、債権は値下がりが続く
一般的に債権の価格と、政策金利には逆相関の関係があります。2024年4月現在、アメリカの政策金利は5.25〜5.50%と高い水準のままであり、アメリカのインフレの拡大 → アメリカの政策金利引き上げ → 債権価格下落となっています。
私が2021年8月に初回購入したときのAGGの基準価格は116ドルでした。それが2024年4月現在96ドル程度まで下がってきています。買ってから株価が下がってしまっているので、含み損を抱えている状態です。当時の私はそんなことも知らずに、毎月入る分配金に取り憑かれ、何度も買い増ししていました笑。こういった経験も、投資の勉強の1ステップとプラスに受け止めるようにしています。
年間トータル利回りは、2021年 1.77%、2022年 2.39%、2023年 3.13%と低めですが、基準価格が下落したことによって、3%台まで上がってきました。アメリカの政策金利は、インフレが抑制されれば下がっていくことが予想されていますので、今のうちに3%台の配当利回りで買っておけば、将来価格も上がってキャピタルゲインも得られるかも知れません。
買ってみてわかったこと
私に取って初めて買った債権ETFがAGGです。これを実際に買ったことによって株式ETFと債権ETFの特徴の違いがよくわかりました。2021年当時、もともと私が考えていた戦略はこうです。S&P500はどんどん値上がりしていくので、次の暴落が来るまで追加購入はしたくない、ではどこに投資をするのかを自分なりに考えた末に、債権ETFへの投資に行き着いたのでした。
株と債権を比べたときに、債権は安定感が高く、暴落時には株式ほどの大きな下落はしないと言われています。よって、暴落が来たタイミングでは、あまり影響を受けないであろう債権を売り、暴落真っ只中のS&P500を安値で買い増せば、投資効率の最大化ができる!と考えていたわけです。直近でコロナショックの値下がりとその後の急激な回復を見ていたので、こういった考えが思い浮かんだのだと思います。
しかし、世の中そんなに甘くはないものです。そこからのアメリカ政策金利の上昇により、AGGの収支はマイナスに転落し、戻ってくる気配はありません泣。これも投資初心者が通る道だと割り切って、前に進んで行くのみです。それでも平静を保っていられるのは、私にとって投資の大黒柱であるS&P500連動のFXAIXがどんどん上がっていっているからです。私にとってS&P500は神ですね。
AGGに話を戻しますと、これ以上政策金利は上がらないだろうと言うのが一般的な考え方です。今後はAGGの価格は上がるだろうと信じる事ができ、毎月の安定した分配金を受け取りたい方にはおすすめの債権ETFです。
投資は最終的に自己判断、自己責任の世界です。この記事にはあくまで私の実体験とその感想を書かせていただきました。誰がなんと言おうと最後は自分の判断で投資を行って下さいね。
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