従業員持ち株会は入るべき? メリット・デメリットを解説!

投資

従業員持ち株会のメリットとデメリット

会社によっては従業員持ち株会があり、入ろうかどうしようか悩んでいる人もいるかと思います。

会社に搾取されるのではないかと不安になることもあるかもしれません。

従業員持ち株会がある会社では、自分が働いている会社の株を買う事ができます。私も入社以来ずっと自社株を購入し続けており、長い年月を経て、それなりの資産になりました。ただし、会社によって制度は違うため、注意が必要です。私の会社の場合、自社株投資のメリットとデメリットは以下の通りかと思います。

メリット

①内部情報を知っている会社の株を買える

②給与天引きで買える

③会社が10%分上乗せしてくれる

④ボーナスは通常月の3倍買える

⑤配当は自動的に再投資される

⑥維持管理費がかからない

⑦アメリカ駐在中でも継続できる

デメリット

①自分が働く会社に依存し過ぎてしまう

②流動性が低い

それでは詳しく見ていきましょう。

メリット① よく知っている会社の株を買える

これは当たり前の話で、自分が働いている会社の事は自分が一番わかります。自社株買いするという事は、自分の働いている会社が、将来に渡って安定して成長することを信じるという事に他なりません。私は以前は自社株を買っていない人や、最低金額だけ買っている人というのは、どこかで自分の会社を信用しきれていないのかなと感じていました。今では、これから述べる理由により、そういう思いはなくなりましたが。全力で自社株を買い、なんなら株価は自分の働きで上げてやると思う人達が集まれば、その会社は伸びていくでしょう笑。

メリット② 給与天引きで買える

日本で個別銘柄の株を買おうと思えば、通常、100株単位、1000株単位とある程度まとまった数(単元株数)で買い付けなければいけません。そのためには、数十万円~数百万円を貯めてから、やっと一回株を買うことができるわけです。その点、自社株買いであれば、例えば毎月1,000円でも少しずつ株を買っていく事ができます。また、毎月定額を買い付ける方法は、ドルコスト平均法と呼ばれ、株価の上下に惑わされず、ひたすら定額でコツコツと投資続けるという最も優れた投資手法の一つとして知られています。さらに給与天引きなので買い忘れることもありません。毎月の購入額は後からでも変更が可能です。

メリット③ 会社が10%上乗せしてくれる

これは会社によってまちまちです。私の会社では、例えば毎月の購入額を10,000円にしていた場合、会社が奨励金として、その1割に当たる1,000円を足してくれますので、合計で11,000円買う事ができます。世界中にある株の中で10%上乗せで買えるのは自社株だけでしょう。株式投資では年利7%も出せればいい方ですので、毎回10%の上乗せがいかにすごい事かわかると思います。

私は過去に転職経験がありますが、前の会社では途中でこの10%上乗せ制度は廃止されてしまいました。このように会社の業績が悪化すれば、制度変更されてしまう可能性があります。

メリット④ ボーナスは通常月の3倍買える

これはメリットと言えるかは人それぞれのような気もしますが、私の会社の場合、ボーナスでは通常月の3倍を自動で買ってくれます。そしてこの金額にも10%上乗せされます。例えば、通常月で1万円に設定していれば、ボーナスから3万円天引きされ、10%上乗せされた3万3,000円を購入することができます。つまり、通常月1万円に設定していると、年間では、月12回+ボーナス2回(3か月分x2回)の買い付けで、1年で合計18か月分の株を買う事になります。そこに10%上乗せされるため、年間の購入額は19万8,000円になります。

メリット⑤ 配当は自動的に再投資される

年2回、配当金が出ますが、それは自動的に再投資されます。つまり、複利で運用できます。自社株投資を始めたばかりの頃は、配当金もたかが知れています。しかし、かの天才物理学者であるアインシュタインが「複利は人類最大の発明」と言ったほど、複利のパワーはすさまじいものがあります。長い年月をかけることで、直線的ではなく、指数関数的に資産が増えていくのを実感できるようになります。私も長年続けたおかげで、月あたりに直すと5万円以上の配当金になっており、それがまた再投資されていきます。

メリット⑥ 維持管理費がかからない

これも会社によるのかもしれませんが、従業員持ち株会に加入していても、維持管理費はかかりません。投資の世界では年利7%程度でも十分な運用成績だと言われます。もし、手数料で1%取られてしまえば、運用成績が1%下がるわけで、大きな損をしてしまいます。従業員持ち株会ではこれがゼロです。会社にとっても持ち株会の規模が大きくなれば、会社の株価が安定する、会社の買収を防ぎやすくなるといったメリットがあるため、会社側には維持費を払っても十分なメリットがあります。

メリット⑦ アメリカ駐在中でも継続できる

私の場合、アメリカ駐在を機に日本の住民票を抜いてきましたので、基本的に日本で株の売買をすることができません。アメリカ駐在中でも日本の銀行口座にもいくらかの給与は入りますので、とくに住宅ローンなども持っていない私としては、金利の低い日本の銀行でお金を寝かせておくよりも、自社株投資を続けてお金に働いてもらう方がいいと考えています。アメリカからでも毎月の購入額変更はできます。

続いて、デメリットは以下の2つです。

デメリット① 自分が働く会社に依存し過ぎてしまう

投資の格言に「卵を一つのかごに盛るな」というものがあります。例えば一つの会社にすべてのお金を投資していて、その会社が倒産すれば全財産を失います。よって、投資の基本は「分散投資」です。

ところが、自社株を買うという事は、自分の給与所得も自分の会社、自分の投資先も自分の会社という事になります。すべては会社次第、つまり「卵を一つのかごにMAX持った状態」になってしまう事を意味します。これはあまりにもリスクが高い状態で、リベ大の両学長も「自社株はいらん」と仰るのはこのためだと思います。

今までは業績が良くても、いつどんな落とし穴があるかは誰にもわかりません。急激な業績悪化や不祥事によって、給与やボーナスがカットされるだけでなく、株価が暴落し、資産も大きく減らしてしまうという可能性があることを十分理解しておく必要があります。

デメリット② 流動性が低い

自社株を現金化したい時には、手間と時間がかかります。まずは従業員持ち株会からどこかの証券口座に株を移管し、それから売却することになるため、数日~数週間かかると考えるべきです。急に手元にお金が必要になったときや、株の暴落時に現金化しようと思っても、すぐにはできません。

また、従業員持ち株会の場合、株式の売却禁止期間があることが多いと思います。これは株価に影響する社内の情報を、社外の人よりも早く知ることで利益を得る、インサイダー取引をできなくするためです。よって、4半期毎の決算発表前などに株を現金化することができなくなります。

アメリカ駐在中にも現金化することはできないのではないかと思います。駐在期間中、会社の業績、株価が安定することを祈り続けるしかありません。

まとめ

従業員持ち株会は会社によって異なる制度ですので、制度をよく調べてメリットとデメリットを理解しておくことが重要です。そのうえで、メリットの方が勝ると思えば、ほどほどに活用する程度がいいのかなと思います。

私はまだあまり投資に関して知識がない時代、今のようにインターネットで簡単に株が買えてしまう時代ではない頃から、毎月5万円分買い続けてきました。そのおかげで、十分な恩恵を得ることができたと思います。毎月5万円、年間60万円、ボーナスは3か月分ですので、夏冬で年6か月になり30万円、さらに10%上乗せされるのでプラス9万円。自動的に一年間で99万円購入していたことになります。そこに株価が上がり、配当が再投資されていきます。知らない間に、とんでもない金額になってしまいます。

初心者の方は株を買い始めると、必ず株価が気になり、上がれば気分が高揚し、下がれば落ち込みます。しかし、これは短期トレードをするトレーダーが買い注文を入れたときの考え方です。毎月定額を積み立てる「ドルコスト平均法」では、全く逆の考え方をしなければなりません。これはなぜかというと、株を買い続けているほとんどの期間では、株価は「低迷」していた方が、より多くの株を買う事ができるからです。「株価」ではなく「株数」を増やすことがすべてです。株を売ったときにいくらで売れるかは、最後に現金化する瞬間以外意味がありません。また、株価が上がりすぎてるのではと感じても、積立金額を減らしたりするのもよくありません。今の株価が高いか安いかなんて、誰にも分らないからです。わかる人と言う人は詐欺師です。会社がつぶれないと考えられるうちは、株価が上がろうが、下がろうが、ただ毎月積み立てを継続する。そして業績は自分の力で上げる。これが一番いい自社株との付き合い方かと思います。

ただし、私は最近投資に関する知識を知れば知るほど、だんだんと卵を一つのかごに盛っている恐ろしさに気づいてきました。株が簡単に自分で買える今の時代に、従業員持ち株会は時代遅れなのかもしれません。10%の追加購入は魅力的ではありますが。アメリカ赴任が終わり次第、なるべく早く解約して、他のよく分散された投資に回そうと考えています。

投資は最終的に自己判断、自己責任の世界です。この記事にはあくまで私の実体験とその感想を書かせていただきました。誰がなんと言おうと最後は自分の判断で投資を行って下さいね。

この記事を書いた人
おりべ

アメリカ駐在サラリーマンとして働きながら、アメリカでの資産運用について模索中。
このブログでは、私が一歩でも自由になるために日々学んだことを発信していければと思います。
投資のモットーは ”Just Keep Buying”です。
TOEIC 930点(リスニング495点、リーディング435点)、英検準一級。

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