HYGはハイリスク・ハイリターンな債権ETF
HYGは次のような特徴を持った債権ETFです。
1.ジャンク債は格付けBB以下の「投資不適格」債権
2.リスクの高さを分散によってカバーするコンセプト
3.毎月利息が入ってくる債権ETF
4.ハイリスク・ハイリターンが好きな人向け
それでは詳しく見ていきましょう。
ジャンク債というあまり好ましくはない名前の債権
iShares iBoxx $ High Yield Corporate Bond ETF(HYG)は、BlackRock社が販売しています。手数料が低く、大人気のiSharesシリーズの債権ETFです。経費率はわずか0.49%です。
投資対象は、S&P500やムーディーズといった格付会社に、格付けがBB以下の「投資不適格」または「投機的」社債と分類された債権で、これらは一般にジャンク債と呼ばれています。下記の表で赤色の部分がHYGの投資対象の債権になります。ちなみに以前紹介したAGGは、AAA格付けの債権のみを対象としています。
S&P | ムーディーズ | |
投資適格 | AAA | Aaa |
投資適格 | AA | Aa |
投資適格 | A | A |
投資適格 | BBB | Baa |
投機的 | BB | Ba |
投機的 | B | B |
投機的 | CCC | Caa |
投機的 | CC | Ca |
投機的 | C | C |
投機的 | D | – |
こういった情報だけを聞くと、非常に危険な匂いがしますが、組入銘柄数が1,317銘柄と非常に多いため、これによってリスク分散を図っています。
それでも投資家はHYGが大好き
2023年の1月に、ウォール街はジャンク債購入に対して警鐘を鳴らしているが、投資家はジャンク債ETFに押し寄せているというニュースがありました。
もし景気後退によって企業業績が悪化し、ジャンク債の格下げやデフォルトが発生すれば、大変な損害をこうむる可能性もあるのですが、利回りが高いという魅力には勝てないという事でしょう。
実際には株式ETFや外の債権ETFと組み合わせることで、更にリスク分散しながら使う事が必要だと思います。HYGのみにすべてのお金を投資するのはリスクが高すぎます。
嬉しい毎月の分配金
HYGのトータル利回りは、2021年4.02%、2022年5.30%、2023年5.74%と5%程度を維持しており、非常に魅力的です。これが毎月分割して口座に振り込まれるので、中毒性が強く、私は債権ETFはやめられません。
HYGを買ってみてわかったこと
私がHYGを買った理由は、それ以前に買っていた同じ債権ETFであるAGGにパワー不足を感じたからです。AGGは安定感は半端ないのですが、配当は3%を下回っており、更に基準価格も下がってしまってマイナス収支となっていました。そこでこれを挽回しようと、2022年8月に75ドル程度で初めてHYGを購入し、そこからは何度か買い増しを行って今に至ります。2024年4月時点の基準価格は76ドル台で、配当利回りは5.73%と非常に高いと感じます。AGGの半額をHYGに投資しているだけでも、同じくらいの配当金が入ってくるというイメージです。さすがはジャンク債だなと思います。
短期の値動きは同じ債権であるHYGとAGGは似ていて、片方が値上がりする日はもう片方も上がるといった感じです。債権ですので、アメリカの政策金利が高くなったことによって、HYGの価格は下がっています。金利と債権は逆相関の関係にあると言われており、実際にその通りの動きをしています。
将来的に金利は下がると考えられており、そのときにセオリー通りにHYGの価格も上がるのだとすれば、今のうちに買っておくのもいいのかも知れません。ただし、アメリカ政府は金利を上げて景気を悪くし、インフレを止めようとしていますので、景気が急激に悪化してしまった時にジャンク債がどうなるのかを考えると恐怖はあります。
私は配当金はChase銀行のDRIP機能を使って自動的に再投資されるように設定しています。自分のポートフォリオにおいて、ちょうどいいと考えているバランスを保つために、今のところは追加で買うつもりはありません。
HYGは外の投資商品との組み合わせでリスク分散ができており、毎月配当の債権が好きな人にとっておすすめの投資商品です。
※投資は最終的に自己判断、自己責任の世界です。この記事にはあくまで私の実体験とその感想を書かせていただきました。誰がなんと言おうと最後は自分の判断で投資を行って下さいね。
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